北海道帯広市の事業創発拠点「LAND」

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十勝の事業創発につながる企業の取り組みを、LANDスタッフが取材し掲載する「LANDSCAPE」!
今回は、北海道にゆかりのある13歳から25歳程度の学生を対象として、「社会課題をビジネスの力で解決する」をテーマにした半年間の人材育成プログラムに取り組む一般社団法人Ezofrogs(エゾフロッグス)の大湊さんにお話を伺いました!

一般社団法人Ezofrogs 大湊 亮輔さん

プロフィール
大湊 亮輔さん(おおみなと りょうすけ) 一般社団法人Ezofrogs 代表理事

1981年札幌市生まれ。札幌旭丘高校、北海道大学を卒業後、2005年(株)リクルート北海道じゃらん入社、観光関連広告営業や地域活性業務など担当。本社への出向なども経験後、2016年末に退職、起業。観光業界の人材育成事業を行なっていた経緯で、Ryukyufrogsと出会い、2021年北海道での学生向け人財育成プログラムを提供する一般社団法人Ezofrogsを設立、代表理事に就任。現在2023年からの第3期開始に向け活動中。

世界にイノベーションを起こすヒントや機会を提供する人財育成プログラム「Ezofrogs」


―――現在取り組まれているプログラム“Ezofrogs”について簡単にどのようなプログラムなのか教えてください。

(大湊さん)Ezofrogsは、北海道にゆかりのある13歳〜25歳程度の学生を対象とした半年間の人財育成プログラムです。「社会課題をビジネスの力で解決する」をテーマに、採択学生には社会課題を解決するビジネスプランを考える半年間を過ごしてもらいます。
私たちはこのプログラムを通じて、ただビジネスプランの作り方を学んでもらうだけではなく、この半年間の経験から、他責にするのではなく自ら動いていく力「起業家精神(=当事者意識)」を持った人材を北海道から数多く輩出していきたいという想いで活動しています。

2022年度採択学生の活動の様子

―――大湊さんがEzofrogsを始められたきっかけを教えてください。

(大湊さん)もともと「frogs」は沖縄で行われていたプログラムで、私は2019年12月に沖縄で行われたRyukyufrogsの最終成果報告会を見に行ったことがきっかけで、この活動を北海道でもやりたいと思い、現在は北海道を中心に「Ezofrogs」として本プログラムを実施しています。北海道でやりたいと思ったきっかけについては、2つの理由があります。
1つ目は、Ryukufrogsの最終成果報告会で発表していた学生の熱量が非常に高かったということです。発表がすべて英語だったということもとても驚きましたが、何より学生が自分の描いている社会を本気で実現させたいという想いが強く伝わってきたと同時に、このような学生を輩出するプログラムは本当にすごいなと思いました。
2つ目は、沖縄で行われた最終成果報告会は2日間にわたり開催されたのですが、延べ3,000人ものお客さんが見にきていたということです。当時は参加費が有料でしたし、教育系のプログラムで延べ3,000人ものお客さんが参加するということが本当にすごいなと思いました。参加者の中には学生を応援したいという方も多いと思いますが、私はこの報告会に参加し、頑張っている学生の姿を見て、「自分も頑張らなくてはいけない」と思わされました。大人にも良い影響を与えるプログラムが純粋にすごいと思いました。
このような理由から、北海道でもこのプログラムを実施したいと思い、現在に至ります。

―――実際に北海道で実施しているEzofrogsのプログラム内容について詳しく教えてください。

(大湊さん)本プログラムは毎年7月から始まります。7月上旬には「そもそも社会課題とは何か」「ビジネスプランやスタートアップとは何か」「英会話やプレゼンテーションはどのように行うのか」などについて学ぶ機会があります。学ぶといっても、本プログラムは座学がメインではありません。7月中旬から下旬には早速各々がどのようなプロジェクトに取り組んでいくかを学生自ら決めてもらい、その後は各自やりたいことの磨き上げに取り組んでもらいます。
8月中旬〜9月中旬の1ヶ月間ではグローバル研修というものを用意しており、多くの人の前で自身が取り組んでいるプロジェクトをプレゼンしてもらいます。ただ、このプレゼンをするかしないかは学生自身に決めてもらっています。もちろんプレゼンをしないと選択した場合はなぜしないのか、しないことによって1度しかない機会を失っていることになるが本当にそれでいいのかなどの問いを投げかけますが、基本的には学生自身が考えて自ら選択してもらうようにしています。
その後、9月下旬から10月上旬にかけて中間発表会があり、12月の成果発表会までの残りの期間は成果発表会に向けて各々がプロジェクトの磨き上げを行っていきます。この期間の時間の使い方は学生の主体性に任せています。


北海道という「井の中の蛙」から脱却し、世界という「大海」で通用する未来人財の育成を行っていきたい

―――全道全国には学生の活動を支援するようなプログラムが数多く存在すると思うのですが、他のプログラムには無い、Ezofrogsならではの特徴は何でしょうか?

(大湊さん)冒頭でもお話しした通り、本プログラムは6ヶ月間のプログラムになっており、この半年間では合計40回程度の研修があります。その中には1ヶ月間のグローバル研修があり、日本だけに限らず世界で活躍している人と関われる機会を用意しています。
日本をはじめ、世界で活躍している人がどのようなことを考えているのか、そのような人たちに自分たちのプランを発表した時にどのような返答があるのかなど、普段の生活ではなかなか関わりを持てないような人からアドバイスや意見をもらえるというところが本プログラムの特徴だと思います。
また、本プログラムは様々な活動を通じて学ぶ機会が多くありますが、私たち運営側は「教えない育成」を心掛けています。学生に答えを教えるのではなく、学生に対して常に問いを立て続け、学生が自ら考え、答えを導き出していくことを重要視していることも本プログラムの特徴だと思います。

グローバル研修の様子

―――大湊さんは2021年に初めて北海道でEzofrogsを開催し、今年で2回目の実施になりますが、この2年間での手応えはいかがでしょうか?

(大湊さん)Ezofrogsをこれまで2年間実施してきて、学生からの認知度が少しずつ上がってきたと感じています。また、私たちは決して起業が全てだとは思っていませんが、frogs生の中から、きちんとビジネスプランを考えて、そのプランの実現に向けて起業していきそうな学生が増えてきていることも手応えとしては感じています。また、Ezofrogsの中間発表会や最終成果報告会に来てくれる大人の方々の数も増えてきており、少しずつではありますが、学生や大人の方との関わりが増えてきていることを手応えとして感じています。

―――実際に起業したいという学生さんが出てきた際、プログラム終了後の支援はどのようなものがあるのでしょうか?

(大湊さん)これまでは具体的な支援ができていなかったのですが、今年度からはプログラム終了後の支援も充実させていきたいと考えております。具体的には本気で起業を目指す学生さんに対して、取り組み内容や学生のステージに応じて一部資金的な支援を行ったり、スタートアップに詳しい弁護士さんからアドバイスを受けられるような機会を作ったり、プログラム終了後も学生のやる気やレベル感に合わせて支援を行っていく予定です。

―――最後に今後の目標や、取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

(大湊さん)今後の目標は、本プログラムが「北海道の様々な地域で挑戦する人の選択肢の1つになること」です。また、本プログラムを通して、何かやりたいと思っている人や一歩踏み出そうとしている人が周りの環境に左右されず、のびのびと挑戦できるような環境作りを行っていき、地域により多くの挑戦者が集まり、さらにはより多く挑戦者を応援する人が集まる環境作りを北海道内で行っていきたいです。
また、今後取り組んでいきたいことは、現在Ezofrogsは13歳〜25歳程度の学生を対象としていますが、今後はもう少し下の世代(幼稚園児や小学生)も参加できるような取り組みにしていきたいと思っています。そうした場合、やはり親御さんからの理解も必要だと思いますし、親子で一緒に参加できるような内容で実施していきたいです。

これからの未来を切り開いていく学生に対し挑戦しやすい環境を作り、北海道からグローバルに活躍する“次世代リーダー”の育成に取り組む大湊さん。インタビューの中で大湊さんが学生の挑戦を応援したいという強い想いが伝わってきました!
LANDはこれからも、大湊さんの取り組みを応援します!

LINK

一般社団法人Ezofrogs

協力

帯広市経済部経済企画課、フードバレーとかち推進協議会

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