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あさかぜ特許商標事務所

中山 俊彦さん

#26「事業上の様々な悩みに応じ適切な専門家に繋ぐ仕組みを通じて、十勝の『ポテンシャル商材』の販路拡大をサポートする」

十勝の事業創発につながる企業の取り組みを、LANDスタッフが取材し掲載する「LANDSCAPE」!

今回は、ご自身は知的財産権(知財)の専門家でありながら、十勝の「ポテンシャル商材」の全国展開・世界進出をワンストップ体制で後押しする支援プロジェクト(士業連携/地域商人)を推し進める、あさかぜ特許商標事務所の中山さんにお話を伺いました!

あさかぜ特許商標事務所 中山 俊彦さん

プロフィール
中山 俊彦さん(なかやま としひこ) あさかぜ特許商標事務所長・弁理士

1997年、東京大学法学部第2類(公法コース)卒業後、さくら銀行(現三井住友銀行)入行。2001年に都内の特許事務所に入所後、2012年あさかぜ特許商標事務所を設立。現在に至る。

事業上の悩みの内容に応じ、適切な専門家に繋いでサポートを行う仕組み

――現在行われている「士業連携」や「地域商人」の仕組みは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

(中山さん)事業者の皆様が抱える事業上のお悩みについて、「誰に聞けばいいのか分からない」という場面が多々あるものと考えています。現在私たちが構築している「士業連携」や「地域商人」のスキームは、そういったお客様の事業上のお悩みの内容に応じて、適切な専門家の方々にお繋ぎしてサポートを行う仕組みです。
 私も、お客様からご相談を受ける際に自身の守備範囲外のことには当然ながらお答えすることができません。そういった際に繋がりのある専門家を紹介するということは日常的によくあることなのですが、普段から専門家同士で交流を図り、それぞれの専門分野や得意な分野を理解しておくことで、よりお客様のニーズに応えた形で対応することができるようになります。また、そのような専門家同士の交流が日常的にあることで、業種によって仕事のやり方の違いなど、新たな気づきを得られることもありますね。

――士業の先生に相談するとなると、具体的にどういった悩みを相談すべきか、料金体系はどうなっているのかといった点で、ハードルが少し高いのではないかと感じてしまう方も多いのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか?

(中山さん)私は、事業を進めていく上では時間が最も貴重なリソースであり、取り返しのつかないものだと捉えており、それを節約するために専門家に相談するとお考えいただきたいと考えています。全てをご自身でやろうとすると、例えば専門家に任せるよりも10倍の時間がかかってしまうといったこともあるかと思うのですが、そういった部分をショートカットするために我々のような専門家にご相談いただきたいと思っています。かけるべきところにしっかりと費用をかけて事業を守るという発想で、上手に使っていただきたいですね。

十勝の生産者による販路開拓の活発な動きを積極的にサポートしていきたい

――中山さんが弁理士の道に進まれたのは、どのような経緯があったのでしょうか?

(中山さん)大学卒業後、私は銀行員として働いていたのですが、弁理士である義理の父から仕事の内容をいろいろと聞いていたこともあり、自分に向いているなと思っていました。それから銀行を退職した後に弁理士の道に進み、20年近くが経ちます。また、物的資源が少ない日本においては、これからは人的資源が重要になってくるということが叫ばれ始めた当時の時代の潮流もありました。銀行員時代にたくさんの会社を見る中で世の中を広く知ることができ、それが下地となって現在の仕事にも活きてきていると考えています。
 また現在は、これまで私が培ってきたノウハウを後世にどのように言語化して伝えていくかということが自身の課題であると捉えており、今後はそのような情報を書籍化することも考えていきたいですね。

――あさかぜ特許商標事務所は鎌倉と札幌にオフィスを構えられていますが、十勝での活動を始められたのはどのような経緯があったのでしょうか?

(中山さん)私が十勝との関わりができ始めたのは10年以上前で、清水町のホルスタイン牛肉のブランド化の案件に携わったのがきっかけです。その際に、良いものを生産されているたくさんの生産者の方々にお会いすることができました。そういったポテンシャルの高い十勝の生産物や商材をより多くの人々に知ってもらうために、私の方からは知財の観点からアドバイスを行なっていたのですが、それ以外にも生産者の方々は数多くの悩みを抱えてらっしゃることに気がつきました。十勝でのそのような経験もあって、様々な専門家に気軽に相談できる仕組みを作った方が良いと考え、現在の「士業連携」や「地域商人」という形に発展していったという経緯があります。
 商品や産品の流通のあり方も多様化してきている昨今において、十勝の生産者の方々はご自身の力で販路を開拓していく動きが活発だと認識していますので、私としてはそのような動きを積極的にサポートしていきたいと考えています。

昨年7月にLANDで行われたとかち機構主催の知財セミナー

些細な部分までの配慮こそが重要。一緒に少し先の未来を見据えて夢を描くというスタンス

――LANDを普段ご利用いただいているような、これから事業を始める方々や動き始めたばかりの方々が知財の関係で心得るべきはどのような点であるとお考えでしょうか?

(中山さん)これはよくあるケースなのですが、自社で技術開発を行い、試作品を一般に販売した後にこちらにご相談いただくことがあります。そのタイミングでは自社の知財を守るためには手遅れとなってしまう場合があるため、大原則としてまずは、世の中に自社の製品を公開する前に特許の出願についてぜひご相談いただきたいですね。これは私の20年近くの弁理士人生の中で最も多くご相談いただく失敗のケースですので、全ての事業者の皆さんに対してお伝えしたい点です。
 また、特許出願では、自社の技術の全てを出願する必要はないと考えています。例えば調味料であれば、レシピを開示しなければ他の方々が同じものを作るのはなかなか難しいですよね。そういったものは特段特許出願を行わなくても良いと思いますし、オープン・クローズ戦略の考え方で、自社技術のコア領域などの守るべきものは秘匿化して守り、公開すべき領域では他者と協調して市場拡大を目指すことやライセンス料を得るということを検討するべきです。

――中山さんが相談者と接する上で大切にしていることはどのようなことでしょうか?

(中山さん)お客様に向き合う姿勢として、私は人間的なコミュニケーションを大切にしています。我々の仕事の性質上、お客様に対して「絶対に大丈夫です」と保証することはできないのですが、お客様として本来聞きたいのはその先にある一言であると理解しています。そこまで踏み込むことは弁理士の本来業務とは言えないのかもしれないですが、そういった些細な部分までの配慮こそが重要で、お客様との情報量の差を埋め、一緒に少し先の未来を見据えて夢を描くというスタンスが大事であると考えています。

――最後に十勝の方々へのメッセージをどうぞ!

(中山さん)私の目から見て、十勝の生産物や商材が持つポテンシャルはすごいものがあると思っています。一方で、本当はすごいものなのに、いつも見ているものが当たり前と捉えてしまっていることで、外部への発信が弱い部分があるのではないかなと感じています。いろいろな人の目に触れることで、十勝の生産物はもっともっと良い評価が得られるようになっていくのではないでしょうか。今後社会がますます変容していく中で、絶えずこれまでの方法論を見直し、より外に打って出ていくという動きを事業者の皆様には期待したいと考えています。

「知財」というと、まだまだ縁遠いと感じてしまう方々も多いのではないでしょうか。 一方で、社会が変容していくスピードが加速化し、社会課題が複雑化していく中で、必然的に事業環境にも多大な影響を受けてしまう現代においては、知財の面からご自身の事業を守るという発想も必要になってくるのではないかと考えます。
そのような激動の時代の中にあって、事業上でのお困り事があった際に頼ることができる、心強い専門家の方々がいるということをぜひ知っていただきたいと思います。

LANDとしても中山さんの活動を応援していきます!

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あさかぜ特許商標事務所

協力

帯広市経済部経済企画課、フードバレーとかち推進協議会

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