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一般社団法人ドット道東

野澤 一盛さん

#23「『理想を実現できる道東』に向けて、道東の魅力発信や仕事づくりを通して人と人とのつながりを生み出す」

十勝の事業創発につながる企業の取り組みを、LANDスタッフが取材し掲載する「LANDSCAPE」!

今回は、道東(※オホーツク、十勝、釧路、根室の4地域)の魅力を発信するアンオフィシャルガイドブック「.doto」の発刊、道東での仕事探検メディア「#道東ではたらく」の運営など、道東に点在する面白いことをつなぐ活動を行う、(一社)ドット道東の野澤さんにお話を伺いました!

一般社団法人ドット道東 野澤 一盛さん

プロフィール
野澤 一盛さん(のざわ かずしげ) 一般社団法人ドット道東 専務理事 ディレクター

1988年、京都府京都市生まれ。大学卒業後、2011年ソフトバンク(株)に入社。入社早々、札幌に転勤し北海道生活をスタート。IT流通の法人営業に5年間従事し、2016年の転職を機に十勝に引越す。転職先は農業に特化した求人サイト「第一産業ネット」の北海道支店の立ち上げ。採用PR支援や就職相談に従事する傍ら、十勝に来てから始めたブログをきっかけに、地域情報に関する執筆、写真動画撮影、動画配信、インターンコーディネーター、など副業を始める。2020年夏、会社員を辞めドット道東一本に。情報発信や人を繋ぐことを中心に活動。

面白い仕事は道東・十勝にもまだまだたくさんあるという機運を作っていきたい

――「道東」を地域ごとの点ではなく一つの面として魅力を発信するドット道東の活動は、これまでにありそうでなかった切り口で、その伝え方の熱量やセンスから若い世代の方々の道東への注目度が増してきているように思います。その情報発信の延長線上で道東地域の求人事業「#道東ではたらく」を始められましたが、どのような経緯があったのでしょうか?

(野澤さん)「#道東ではたらく」に関しては、道東のアンオフィシャルガイドブック「.doto」を発刊した時に、学生の方々や、道東出身で今は地元を離れている方々からたくさんの反響の声をいただいたことがきっかけとなって始まりました。また、私たちも日々道東地域の面白い活動をしている企業の方々のお話を聞いている中で、「この会社にはもう一人、また別の視点を持った人がいればいいんじゃないかな」という企業がたくさんありました。そういった企業の情報については、ドット道東の活動に共鳴して道東地域に関心を持っている方々からも、良い反応があるだろうなという感触がありました。
 この仕事探検メディア「#道東ではたらく」については、これまではnoteで記事を公開していたのですが、2月にサイトのリニューアルを行いました。採用活動が終わった後もそのまま記事が残るので、単なる求人サイトとしてではなく、道東・十勝にはこんなに面白い会社があるんだと気づいてもらえるようになるメディアになれば良いなと考えています。一般的に、地方にはあまり仕事がないと考えられがちではないかなと思うのですが、面白い仕事は道東にもまだまだたくさんあるという機運を作っていきたいですね。

道東のアンオフィシャルガイドブック(左)と第二弾のアンオフィシャルビジョンブック(右)

仕事探検メディア「#道東ではたらく」がリニューアルオープン!

都会では諦めていたことが地方でなら実現できる

――以前、野澤さんは、「#道東ではたらく」の取材の中で大事にしていることとして、「最大出力がどこにあるかを一緒に探す作業」という言葉を使われていました。具体的にはどういうことなのでしょうか?

(野澤さん)求人記事を作るにあたっては、企業からのお話を聞いてそれをそのまま載せるというよりは、どう伝えれば良いかを一緒に考えて、一緒に言語化していくという伴走の姿勢を大切にしています。そういった意味では、取材の中で出てきた言葉を少し変えて記事掲載することも時にはあります。また、私たちも様々なライターさんと一緒に動いているのですが、例えば子育てが一段落したママさんの社会復帰を手助けしたいという企業の求人案件については子育て経験のあるライターさんと一緒に取材に行きますし、地域おこし協力隊の募集案件については協力隊経験者のライターさんと取材に行きます。その方が企業が抱える課題に対する解像度を高く持って取材することができますし、より深いヒアリングができると考えています。
 現在は地元のパン屋さんの求人記事を制作しているのですが、例えば今も都会で働いている人は、パン屋さんの特殊な勤務時間帯や様々な事情から働くことを諦めてしまった人もたくさんいるだろうなと思うんです。そういった理想の働き方を諦めていた人たちに対し、地方だったらこんな風に働けるんだという姿を示していきたいですね。都会では諦めていたことが地方でなら実現できるということがまだまだたくさんありますから。

満寿屋商店 杉山社長の取材模様

足寄ひだまりファーム 沼田代表の取材模様

「道東」という概念への認識が広がれば、地域のポテンシャルはもっと広がっていく

――「DOTO-NETプロジェクト」では、道東エリアに関わる人たちがそれぞれの実現したいこと、課題としていることに向けて、知識やスキルを持ったプロジェクトメンバーを構成し伴走するチームをつくるとのことですが、具体的にはどのようなイメージを持たれているのでしょうか?

(野澤さん)ドット道東ではフライヤー・ウェブサイト・動画の制作、SNS活用など情報発信のお手伝いをしているので、まずはご依頼いただく企業がLANDのウェブサイトなどで「DOTO-NETプロジェクト」を見かけた際に、ドット道東にお願いしてみようという導線を作っていきたいですね。元々、ドット道東はクリエイティブ分野のフリーランスが集まってできた組織なのですが、学生の方や会社員の方でも、色々な方々に入ってきてもらいたいと考えています。関わる人が増えるほど一緒にできる仕事の幅が広がっていきますし、「DOTO-NET」はそういった人たちがプロジェクトごとに一緒に動く「箱」になりたいなと思っています。
 「理想を実現できる道東」にする、というのがドット道東のスローガンです。個人の実現したい理想が東京や札幌じゃないとできないという現実を変えていきたいと思っていますし、そのためには道東で仕事を作るとか、様々な分野でもお手伝いをしていきたいです。そういった応援し合うつながりがどんどん増えていけば、そこに住む人たちが楽しむ要素も増えていくと考えています。

――ドット道東では、東京や札幌など道東以外のエリアでも様々なイベントを開催されていますが、道東地域への注目度や将来性についてはどう捉えてらっしゃいますでしょうか?

(野澤さん)シンプルに「道東」と言ってくださる方がどんどん増えてきている印象ですね。ただ、まだまだ「道東」のイメージや概念は広がっていく余地があると考えています。広い北海道では地域ごとに産業や文化も全く異なりますし、「北海道」という地域単位・イメージから、「道東」というまた別の概念への認識が広がれば、地域のポテンシャルはもっと広がっていくと考えています。

2月に紋別市で行われたイベントの様子

――若い世代の方々もドット道東の活動にどんどんジョインされていますよね。

(野澤さん)ドット道東では学生さんのインターンも募集していますが、ただもっと若い世代の方にも関わってもらいたいですね。インターンの学生さんと一緒に取材に行く車中で進路や悩みの相談を受けることもありますし、タイプに応じて色々なアドバイスができると思っています(笑)。最近では、インターンの学生さんが浦幌町で「つつうらうら」(※浦幌町が運営するしごとや暮らしに関する情報を集めたポータルサイト)の記事を制作する合宿を行ったり、独自の動きも出てきていますね。

「関わりしろ」は常にオープン。頑張る人たちをひたすらに応援していきたい

――最後に十勝の方々へのメッセージをどうぞ!

(野澤さん)ドット道東の強みは、ご依頼いただいたお仕事に対してしっかりとアウトプットをお出しできるということに加えて、様々な人とのコーディネーションができるという点だと考えています。僕らがご一緒することで、その活動を応援する意味でいろいろな人がどんどん関わってくることになりますし、ぜひお気軽にご相談いただきたいですね。
 また、ドット道東に関わる個人の方の観点で言うと、例えば自分にはできることは何もないと言う方も多いのですが、そんなことは決してなくて、どんなことでも誰かの役に立てると思うので、「関わりしろ」は常にオープンです。日常にちょっとした変化をつけたいとか、単純に友達が欲しいとかなんでもいいので、ぜひ気軽に声をかけてほしいですね。ドット道東では様々なイベントも企画していますし、誰かと繋がっていれば道東での生活ももっと楽しくなっていくと思っています。そこに無いなら自分で作っていけばいいですし、そういった頑張る人たちをひたすらに応援していきたいですね。

ドット道東のボードメンバー

「住むと決めた場所で楽しく生きたい」とは、ドット道東のウェブサイトにある言葉です。

人々が道東で生きていくにあたり、仕事や住環境、人と人とのつながりなど、課題はまだまだ多いのではないでしょうか。そういった意味で、道東には「住むことを決めるという覚悟」がやはり必要なのではないかと感じます。

ただ一方で、ドット道東の活動は、そんな道東にあって人々の生活を「楽しく」するため、人々の理想を応援するものです。「理想を実現できる道東」にするという力強いスローガンが見据える未来に、道東に生きる人々が楽しく輝く姿が見えるように感じます。

LANDとしても野澤さんの活動を応援していきます!

LINK

ドット道東

協力

帯広市経済部経済企画課、フードバレーとかち推進協議会

お問合せ

この記事に関するお問合せはLANDまでお気軽にどうぞ!


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