事業創発拠点「LAND」

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【LAND企業研究部#10】十勝〇〇婦人部 人材育成グループ「起業という選択肢をより身近にし、お互いに支え合えるコミュニティの形成を目指す」

十勝の事業創発につながる企業の取り組みを、LANDスタッフが取材し掲載する「LAND企業研究部」!

今回は、十勝の起業志望の方々や起業したてで悩みを抱える方々の支援活動を行うとともに、悩みを抱える方々がお互いに支え合えるコミュニティの形成を目指す、十勝〇〇婦人部(とかち まるまる ふじんぶ)人材育成グループの皆さんにお話を伺いました!

左から、oto design小野寺智美さん、Ami Yoga Hokkaido角畠あさみさん、鹿追ソーセージファクトリー正保縁さん、空間Works山川知恵さん


※oto design小野寺智美さんの取材記事はこちら

――十勝〇〇婦人部人材育成グループの皆さんは、十勝の女性起業家や様々なフィールドで活動する女性が集まり、起業支援のセミナーや相談会等を実施することで、この十勝で「自分らしく」働き、横の繋がりで支え合うコミュニティを作ることを目指して活動を行なっていらっしゃいます。「十勝〇〇婦人部」という名前にはどのような想いが込められているのでしょうか?

(正保さん)「〇〇(まるまる)」というのは、様々な物事に対応していきたいという想いから、汎用性を考えてそのようにしています。また、「婦人」という言葉にはレトロかっこいいというイメージもありますね(笑)

(山川さん)元々、十勝〇〇婦人部は、十勝の観光を女性目線でPRしていくという目的のもとに、代表者である「いただきますカンパニー」の井田芙美子さんが集めたメンバーが母体となっていて、その中で特に女性起業家が多く、そこから発展して観光以外のこともやっていきたいという想いで、私たち人材育成グループでは主に女性の起業支援に関する活動を行なっています。

十勝◯◯婦人部人材育成グループ(十勝◯◯婦人部の井田代表を含む)のメンバーが今後の活動についてミーティングを行なっている様子

「十勝では起業が必然」とさえも思っている


――活動を行なっていくに当たって、どのような想いがあるのでしょうか?

(小野寺さん)私の場合は、特に「女性として」という意識はなく、自分がやりたいことを実現するために活動を行なってきた結果、女性起業家と呼ばれるようになりました。私自身も母親となって仕事を続けていく難しさを抱える中で、同じような立場の方々を支援することによってその方の悩みが解決され、新たなステップを踏み出すことを支援したいという思いで、十勝〇〇婦人部人材育成グループの活動を行なっています。

(角畠さん)私は以前まで会社に勤めていて、その時は楽しく働いていましたが、その後退職を決めました。これから何をしていこうかと考えた際に改めて就職するという選択肢もありましたが、それでは幸せになれないと考えました。その結果、起業という選択肢を選びましたが、女性の場合、例えば結婚して社会復帰する際に様々な事情でモヤモヤ感を抱えている方も多いと思います。そういった時に就職ももちろん一つの選択肢なのですが、起業という選択がその人にとってベストである場合もあります。そういった方々に対して、自分のやってきたことやノウハウを伝えていけるのではないかなと考えています。

(正保さん)私は、香川県から鹿追町の農業研修生として移住し、地域おこし協力隊を経て十勝に定住しました。協力隊としての活動を終えた後、就職を考えた時にあまり選択肢がありませんでした。その意味で、「十勝では起業が必然」とさえも思っています。地元の香川では企業勤めの方が多く、まさか自分が起業するとは考えてもみませんでした。女性は結婚や出産を機にライフステージも様々に変わるため、それまでのキャリアが途切れてしまい、立ち行かなくなってしまうということもあると思うのですが、そういった中でも同じような立場の方々との横の繋がりがあることが重要だと考えています。

十勝〇〇婦人部人材育成グループの主催セミナー「お金をかけず売上を上げる!学んで語って繋がる会」にて講師を務めたマーケティング戦略コンサルタント・和装イメージコンサルタント 上杉惠理子さんと

この土地には晩成社のDNAが受け継がれている


――十勝は起業マインドが旺盛と言われることもありますが、それについてはどのように捉えていますでしょうか?

(山川さん)十勝〇〇婦人部人材育成グループは、経済産業省が運営する「ほくじょき.net」(北海道女性起業家支援ネットワーク)における十勝地域の「じもじょき.net十勝」内の支援チームとしても活動しているのですが、全道の同じような支援チームが集まる報告会の中で情報交換を行うと、十勝は女性起業家の数が多いねと言われることがよくあります。また、行政からの支援も手厚いですし、帯広信用金庫が主催する「とかち・イノベーション・プログラム」(TIP)の取り組みについては驚かれることが多いですね。十勝地域の規模という面からも顔が見えるプレイヤーが多いということも、起業環境を考える上ではメリットではないでしょうか。

(角畠さん)十勝は起業しやすい風土や独自の商圏があるのだと思います。私は「とかち熱中小学校」の活動にも携わっているのですが、講師の先生方からも元気な地域だねと言われることが多くあります。十勝地域は34万人ほどの規模感で横の繋がりも多く、例えば大きな企業の方々とも繋がりやすい環境にあると思います。大都市になればなるほどそのような機会は少なくなるのではないかと思いますし、ビジネスチャンスを掴みやすい地域なのかなと捉えています。

(山川さん)横の繋がりがそのまま仕事になることも多いですよね。また、依田勉三の晩成社(1882年に依田勉三を中心として結成された民間開拓結社。帯広市を開拓し、牛肉の販売やバターの製造・販売などの事業を行なった)の貢献は外せないと思います。この土地には晩成社のDNAが受け継がれていますし、移住者の方々もそのようなマインドが肌に合うからこの場所に惹かれてくるということなのだと思います。

(角畠さん)十勝以外の地域は水田地帯が多くその場所を大切にしていくという風土がある一方、十勝には輪作の文化があり、新たな作物に常にチャレンジしてそれを常に変えていくマインドがあるという話を聞いたことがあります。そういった元々の農業基盤とチャレンジ精神が結びついて、この土地の起業マインドを育んでいるという解釈もできると思いますね。

十勝〇〇婦人部人材育成グループの主催セミナー「【第2弾】起業・複業の¥お金¥ぶっちゃけトーク&個別相談会」にて

起業家は身近にいるということを知ってもらいたいし、起業は遠い世界にあるものではない


――活動を行なっていく上での現在の課題や今後の活動方針はどのようなものなのでしょうか?

(山川さん)現在は、メンバーそれぞれが本業もある中で十勝〇〇婦人部人材育成グループとしての活動を行なっています。起業支援のニーズがもっとたくさん存在するのではないか、ニーズの掘り起こしをもっともっと行なっていきたいという思いがある中で、なかなか手が回らない状況にあります。

(正保さん)10年先の地域の未来を見据えて、学生向けの活動を行なっていくことも重要だと考えています。また、十勝〇〇婦人部人材育成グループでの支援対象は女性に限っているわけではないので、もっと男性の方々も参加してもらえるような活動も行なっていきたいと考えています。

(山川さん)過去に十勝出身の大学生の方から地元に戻りたいとの相談を受けたことがあったのですが、社会に出ていくタイミングでどういう進路を選ぶかというと、自分の知っている範囲内でしか選べませんよね。そこに起業という選択肢を示してあげることも重要だと考えています。「女性の起業」というと、どうしてもバリキャリみたいなイメージがついてしまうと思うのですが、そうではなくて、起業家は身近にいるということをぜひ知ってもらいたいですし、「起業」というのは決して遠い世界にあるものではないということを伝えていきたいですね。

十勝〇〇婦人部人材育成グループの主催セミナー「アニヴァーサリー・プランナー辰本草子氏講演&ネットワーク交流会」にて

長い人生の中で挑戦したという経験が財産になる。「これでやっていきたい」と思えるタイミングがあれば挑戦してほしい


――今後、十勝で起業を目指す方々へのメッセージをどうぞ!

(正保さん)「どうにかなる、やればできる!」ということをお伝えしたいです。十勝の先輩の女性起業家の方から「やめなければ失敗じゃない」という言葉をいただき、その言葉が今でも自身の中に深く残っています。十勝だから挑戦できるし、挑戦しやすい環境にあると思っています。

(角畠さん)今後の人生の道のりには色々な選択肢ある中で、モヤモヤを抱えている方々も多いと思います。私は「やってみたいことがあれば、まずはやってみたらいい」と考えています。もちろんそれが成功するかは分かりませんが、長い人生の中で挑戦したという経験が財産になると思っています。人生のステージによって起業のメリットやデメリットはあるとは思いますが、「これでやっていきたい」と思えるタイミングがあれば挑戦してほしいですね。

(小野寺さん)自分の中で生まれた「これが好き!」の種を見逃さないで、ワクワクと行動を起こしてみてほしいです。それが起業という形ではじまるかもしれないし、そうじゃなくてもこの先の人生の、「自分を形成する大切な要素」となっていくと思います。形にこだわらず、自分から生まれるその想いを大事に、そして一歩進みたい時ぜひ!わたしたちのような存在を大いに頼りにしていただけたらと思います。

(山川さん)女性の場合、例えば出産を経て再就職しようと思っても、家庭と仕事を両立させるためには条件が合わず、結果的に起業しか選択肢がないというケースが多くあると思っています。また、お子さんのために両親のどちらかが休まなければならないとなった時に、母親が仕事を休むという例がまだまだ多いのが実態です。そして、起業にも色々なやり方があります。主婦をやりながらでも良いですし、企業で働きながらでも良いと思います。自分の苦手な分野は得意な方に依頼して、自分はやりたいことに集中するだとか、起業の方法は人それぞれでグラデーションです。興味があるのなら一度考えてみて、結果的に起業しないという選択肢もあります。人生を豊かにするための選択肢の一つとして、起業を捉えてみてほしいですね。


取材の中では十勝〇〇婦人部人材育成グループの皆さんの仲の良さやチームワークの強さを感じる一方で、その言葉には女性起業家としての力強さや、十勝に根ざし、十勝で生きていくという強い意志が感じられました。
お話を聞いていて、この土地を長く将来に渡って豊かに育んでいくためのヒントが得られた気がしました。

LANDとしても十勝〇〇婦人部人材育成グループの皆さんの活動を応援していきます!

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十勝〇〇婦人部

協力

帯広市経済部経済企画課、フードバレーとかち推進協議会

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