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OFFICE ANDO

安藤 智孝さん

#25「取り組むべき課題に対する自覚を促し、企業として取り組むビジョンの解像度を上げる『しつもんコンサルティング』」

十勝の事業創発につながる企業の取り組みを、LANDスタッフが取材し掲載する「LANDSCAPE」!
今回は、「質問」を使って、相談者が自身の価値観や思考のクセに気づくお手伝いをするサービス「しつもんコンサルティング」を行う、OFFICE ANDOの安藤さんにお話を伺いました!

OFFICE ANDO 安藤 智孝さん

プロフィール
安藤 智孝さん(あんどうともたか) OFFICE ANDO / 十勝清水コスモスファーム代表取締役

 1979年、北海道清水町生まれ。中央大学大学院卒。公益財団法人かながわ国際交流財団 湘南国際村センターに3年間勤務。北海道・十勝での子育てを希望し、帯広市役所へ転職。
 その後、人事交流で帯広信用金庫に勤務。2014年帯広市役所を退職後、家業である十勝清水コスモスファームに入社。
レストラン部門、ガソリンスタンド部門の統括、商品販売部門の立ち上げ、自社牛肉を使った加工品の開発、販売を展開。
2022年にOFFICE ANDOを立ち上げ「しつもんコンサルティング」を開始。

質問を通じて眠っている答えを引き出していく

ーーしつもんコンサルティングとはどのような事業なのでしょうか?

(安藤さん)相談者に質問を投げかけながら、相談者の中にある答えを明確にしていくコンサルティングです。一般的なコンサルティング業は、コンサルティングする側が答えを持っていて、相談者にその答えを提供するものですが、しつもんコンサルティングは相談者の中に潜在的に眠っている答えを対話の中で引き出して行く点が大きく異なる点です。

ーーどのように質問していくのですか?

(安藤さん)しつもんコンサルティングでは一人当たり30分~2時間かけて質問と対話を繰り返すことで答えを引き出していきます。その時に、ただ会話するのではなく、紙とペンを用いて相談者の中から出てきた事柄を見える化し、抽象的な言葉の解像度を高めていきます。
 対話では、相談者が持つ過去に基づく考え方や動機などが飛び出すこともありますので、もちろん守秘義務を交わした上で相談にあたります。
 質問と対話を進めていき、ある程度内面の見える化が終わったら、書き起こした「言葉」を一緒に俯瞰して振り返り、相談者が「大切に考えている価値観」や「本当にやりたかったもの」等に気付く機会をご提供しています。

コンサルティングに用いるノートとペン。相談者の言葉を可視化していく。

――質問を続けるうちに相談者にはどんな変化が見られますか?

(安藤さん)質問と対話を進めていくと、相談者が思いもしなかったような「言葉」が飛び出してきます。この、しつもんコンサルティングでもっとも重要視しているのが、「その人自身と発する言葉を分離する」ことです。人の発する言葉というのは、「人柄」と「伝えたい内容」が組み合わさっていると思うんです。例えば、本来合理的な判断をすべき時に、自分の性格や過去の経験、周りの人のことが浮かんで、本当に自分の思っている事じゃない発言や選択をしてしまうことはないでしょうか。誰しも、自分の言葉だと思っていてもどこか無意識にフィルターがかかっている状態なんです。そこで、第三者による質問を通じて、その人自身の考えと言葉を分離する。その作業が「しつもんコンサルティング」なんです。
 コンサルティングのあと、相談者は「非常にすっきりした」「自分のやりたかったことが見えた」と爽やかな表情で帰られますね(笑)。

――安藤さんは現在「十勝清水コスモスファーム」を経営する牧場主ですよね?どういった経緯でこの事業に取り組まれたのですか?

(安藤さん)牧場主がコンサルティングを始めたと聞くと驚きますよね(笑)。この事業を始めたきっかけは、当社の社員と定期的に行っている個人面談です。面談では、仕事をする上で、本人が何を望んでいて、どうしていくのが一番いいのかを話し合うのですが、人によって自分の考えを言葉にするのが苦手な人や、本当の思いとはズレた言葉で答えてしまう人がいるんですね。雇用主として、できるだけ本当の気持ちを知りたいと思い、思考を整理できるようにこちらから質問を投げかけながら、質問の中で出てきたその人が大切にしたいキーワードをホワイトボードにメモしながら面談を進めるようになりました。そうして本当に考えていたことが見えてくると、皆とても明るい顔になるんです。自分を理解されることで、面談をするたびに私との距離感も近くなって、仕事に向かう姿勢もより良くなっていきました。自分の気持ちや考えを整理・整頓する。それが「しつもんコンサルティング」の原型ですね。
 しばらくして、社員からの口コミで、近しい人から自分も相談に乗って欲しいという依頼が増えました。同じように相談に乗ると、どの人からもとても感謝されたんですね。
 印象に残っているエピソードとして、普段から仲の良いご夫婦が相談にいらっしゃいました。新規事業に挑むか否かといった悩み事があったようですが、普段は旦那さんを茶化す奥様から「旦那さんが新しく好きなことに挑戦しているところが好き」という答えが出てきた際に、旦那さんの目に決意が現れたというのが今でも記憶に残っています。
 そこで、この第三者を通じて思考を整理するという行為は世の中に必要とされているのではないかと思い、事業化に踏み出したんです。

幅広い経験に裏打ちされた質問力で心の荷物を軽くする!

――この事業は特にコンサル側の質問力が大切になってくると思います。安藤さんはどのようにしてその力を身に付けられたのですか?

(安藤さん)自分の強みの一つに、「その人に合わせた内容・ペースで質問ができる」ことがあります。人によって自分の考えをまとめて口に出すまでの時間はさまざまだと思いますが、その人の会話のペースに合わせて「待てる」ことが私の強みだと思っています。しつもんコンサルティングでは、書き出した言葉の中から答えとなる言葉に気づくのはあくまで相談者自身です。こちらから、これですか?と聞くことはしませんので、答えを見つけるまで「待てる」という能力が不可欠です。
 もう一つの強みとして、「相手に伝わる言葉」で質問できる事も私の強みです。相談者の職業や属性は様々ですが、それぞれが属しているフィールドの言葉や文化、物事を捉える観点の違いってあると思うんです。そこに合わせた翻訳ができるのは、私が持つ産学官金すべての職業に就いた経験(※記事冒頭のプロフィール参照)や、さまざまな業種、幅広い分野の方々と対話してきたからこそだと思うんです。
 なかでも、湘南国際村センターにて勤務していたころに、学生の活動に対するファシリテーションを数多く経験したことが、相手に合わせた質問の仕方や質問力を磨く事に繋がりました。

――安藤さんは「しつもんコンサルティング」のサービスをどんな人に活用していってほしいですか?

(安藤さん)特にLANDを利用されるような、事業の立ち上げを目指す方や、立ち上げたばかりのスタートアッパーに利用して欲しいです。
 私の実体験として、自分ではプランをブラッシュアップできていると思っていても、いざ取り組もうとする時にしり込みしてしまうことがありました。そのような時、自分が目指していく方向や立ち位置の確認、そもそもの目的に立ち返るための手助けをしてもらえたら心強いと思います。私が質問することで、取り組むべき課題に対する自覚を促し、企業として取り組むビジョンの解像度を上げることに繋げていきたいです。

――最後に十勝の方々へメッセージをお願いします!

(安藤さん)取り組みの成果には、ビジョンの解像度や、取り組もうとする人の心の軽さが大きく影響すると思っています。
 私の事業で、これから十勝で何かに挑戦していこうとしている人の心の荷物を軽くする手伝いができればいいと思っています。十勝のプレーヤー達がスムーズに動けるようバフ(RPGゲームにおける一時的な能力向上効果)をかけるような存在になれたらいいですね。
 私も自分自身に、質問を投げかけることがありますが、なかなか答えは出てきません。というよりもある程度の答えから先には、自分だけでは辿り着けないんです。皆さんもそんな時がありませんか。
 「しつもんコンサルティング」は、質問や対話を通じて、自分の事を深く掘り下げていくので、人によっては少し怖いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、全く怖くないので、ぜひ気軽に活用いただければと思います。
 LANDコーディネーターの山口さんには「しつもんコンサルティング」を試験的に受けていただいたので、どのような感じか気になる方はぜひ、山口さんに尋ねていただければと思います!

---幅広い分野を経験してきた安藤さんならではのサービス。取材の中で実際にコンサルティングを実演していただきましたが、相談者に対する問いかけ方や質問の内容、考えの引き出し方は経験に裏打ちされたものだと強く感じました。さまざまな場面で決断を迫られる現代社会で、無意識に自分の性格や外的要因によって本当は望んでない答えを選んでいることは皆さんもあると思います。質問を通じて思考を整理し、取り組むビジョンの解像度を上げる安藤さんの「しつもんコンサルティング」はビジネスパーソンに必要とされていくサービスだと感じました!これからもLANDは安藤さんの取り組みを応援していきます!

協力

帯広市経済部経済企画課、フードバレーとかち推進協議会

お問合せ

この記事に関するお問合せはLANDまでお気軽にどうぞ!


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